Fairytale Of New York/The Pogues

クリスマス・イヴは
トラ箱の中にいた
老いた男が、クリスマスはこれが最後だろうな、と言って
歌った歌は
「ザ・レア・オールド・マウンテン・デュー」
俺は顔を背けて
君の夢を見た

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ラッキーだぜ
18分の1で賭けた馬が当たるなんて
今年は俺と君のための年だったなんて
そんな気がするよ
ハッピー・クリスマス
愛してるよ
俺たちの夢が叶うのも
もう時間の問題だな

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バーカウンターみたいに大きな車が走り
金の川が流れる街
だけど風が
あなたに吹きつける
ここは老いた人間のための街じゃない
あなたが初めて私の手を握ったのは
寒いクリスマス・イヴだった
約束してくれた
ブロードウェイが君を待ってる、って

あなたはハンサムで
君は美しかった
ニューヨークの女王だった
あの頃はバンドが演奏を終えても
お客さんは続きを求めてた
シナトラがスウィングしていて
酔っぱらいがみんな歌っていた頃
ふたりは街角でキスをして
夜通し踊っていた

ニューヨーク警察の合唱隊が
「ゴールデイ・ベイ」を歌っていた
教会の鐘も鳴るクリスマス・デイ

「このクズ!ゴミ!」
「なんだとヤク中の売女が!
 ベッドで点滴打って死にかけじゃねえか!」
「カス!ゲス!金もないホモ男!
 何がハッピー・クリスマスよ!
 もう終わりよ!」

ニューヨーク警察の合唱隊が
「ゴールデイ・ベイ」を歌っていた
教会の鐘も鳴るクリスマス・デイ

「違う人生も送れたのにな」
「そんなの誰だっていっしょよ
 初めて会ったときに
 あなたは私の夢を持っていっちゃったのよ」
「その夢はまだ俺が持ってるよ
 俺の夢といっしょにな
 俺はひとりで何でもできるような人間じゃない
 君がいたから夢が今も広がっているんだ」

ニューヨーク警察の合唱隊が
「ゴールデイ・ベイ」を歌っていた
教会の鐘も鳴るクリスマス・デイ