Gloria/Patti Smith

ジーザスは僕じゃない誰かの罪を背負って死んだ
罪は盗人の坩堝で溶けていく
ワイルドカードは懐に
冷たく厚い心臓
僕の罪は僕のもの
僕にこそふさわしい

人は言う「気をつけろ!」
だけど気にしない
そんな言葉は僕にとっては
単なる規則でしかない

部屋に入り込む僕は 得意気に見えるだろう
部屋の空気をかき乱して ああ すべては許された
この集団に紛れてもつまらないだけだ
ふと窓の外を見ると かわいくて若いのが
パーキングメーターでヤっている パーキングメーターに寄りかかって
彼女超いいよ 超かわいいよ
そして僕はおかしな気分になって彼女を手にしたいと思ったんだ
あの子を惹きつけよう

彼女はやってくる
ストリートを歩いて
ドアを開けて
階段をゆっくり上がって
ホールでワルツを踊って
赤くてかわいいドレスを着て
すっごいかわいい
気分が高まってあの子を僕のにしたいって思った

そしてドアをノックする音が聞こえる
僕は大きな柱時計を見やる
「真夜中になったぞ!」
あの子がドアを開けて入ってくる
ソファーに寄りかかってささやいた 僕は一発ヤった
彼女超よかったよ
世界中に彼女を自分のものにしたって言いたい

それから僕がねえ、君の名前教えてよ、って言ったら教えてくれた
彼女は僕にその名前をささやいた
彼女の名前は G L O R I A

僕はスタジアムにいた
20000人の女の子たちがそれぞれの名前を呼んでいた
マリーとかルースとか でも正直
そんなの聞いてもなかったし顔も見てなかった
僕は目を大きな柱時計に向けて
心にベルが鳴り響くのを聞いた
ディン・ドン……
時刻を刻む そして君が僕の部屋にやってきた
君は僕にささやいて そして僕ら一発ヤった
君超よかったよ よかったわ
世界中にやったぞって言いたくなるね
彼女は僕のものだぞって言いたくなるね

柱時計のベルは告げる「ディン・ドン」
ベルは歌う「ジーザスは僕じゃない誰かの罪を背負って死んだ」